大手電力会社よりも安い料金プランが多い新電力ですが、「新電力はやばい」「契約したら後悔する」といったネットの評判もあります。
実際に新電力会社が撤退・倒産したり、電気料金を値上げしている事例もあります。
しかしすべての新電力が危険なわけではなく、安心して利用できる会社も存在します。
この記事では、新電力がやばいと言われる理由を解説し、安心して契約できるおすすめの新電力会社も合わせて紹介しますので参考にしてください。
- 新電力はやばい・後悔すると言われる理由
- やばい新電力会社を選ばないためのポイント
- やばいと心配しなくていいおすすめの新電力会社
- 新電力会社への乗り換えを無料代行するサービス
経済産業省 資源エネルギー庁の調査によれば、全販売電力量に占める新電力のシェアは、電力自由化がスタートした2016年4月から増加傾向です。

引用:経済産業省 資源エネルギー庁「電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について(2024年10月29日)」新電力のシェアの推移
電力自由化に伴い参入した多くの新電力は、大手と比べて運営コストを抑えることで、低コストな料金プランの提供を実現しています。
需要の増えているお得な新電力を複数比較して乗り換えを検討したいという方は、以下も参考にしてみてください。
東京電力より安い電気料金・電力会社を紹介!東京電力エリアでお得に使えるおすすめ電力サービスを徹底解説
新電力はやばい・後悔すると言われる理由
近年、電力調達コストの変動により、新電力会社の撤退や倒産のニュースを目にする機会が増えました。
また、電気料金の高騰や値上げの影響で「新電力に切り替えたのに以前より電気代が高くなった」と感じる人が増えたことも、「新電力はやばい」といわれる理由の一つです。
ここでは、「新電力はやばい」と言われる理由を具体的に解説していきます。
新電力会社が撤退・倒産することがある
新電力の撤退や倒産が相次いでいることは、「やばい」と言われる大きな要因の一つです。
実際、2023年の小売電気事業者(新電力の会社)には731社登録があるものの、96社は「事業廃止・解散・取り消し」をしています。

引用:資源エネルギー庁|電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について「小売電気事業者の登録数」
新電力の撤退や倒産の背景となっているのが、電力調達コストの上昇です。
新電力の多くは自社発電設備を持たず、日本卸電力取引所(JEPX)から電力を調達しています。
しかし、2021年以降の燃料価格の高騰により電力の仕入れコストが増加しました。
その結果、経営を維持できなくなった新電力会社が続出し、市場から撤退するケースが増えています。
電気料金を値上げする新電力が増えている
新電力の料金が以前より高くなったと感じる人が増えているのも、「新電力はやばい」と言われる理由の一つです。
近年、電力調達コストの高騰に加え、容量拠出金や託送料金の改定により、電気料金の見直しを行う新電力が増加しています。
容量拠出金とは、将来の電力供給力を確保するために、発電事業者へ支払われる費用であり、2024年4月から新たに電力会社への請求が始まりました。
また、託送料金は小売電気事業者が送配電事業者に支払う電力網の使用料で、2024年4月から発電事業者にも支払い義務が発生し、各社の負担が増加しました。
上記のコスト増加が電気料金に転嫁されたことで、一部の新電力では「契約当初よりも電気代が高くなった」と感じる消費者が増え、「新電力はやばい」という体感に繋がっています。
ただし、新電力だけでなく小売電気事業者全体で値上げを実施しているので、新電力だけが値上げをしているわけではありません。
やばい新電力会社を選ばないためのポイント
新電力の撤退や倒産のニュースを見て不安に感じている方も、「電気料金プランの仕組み」「事業運営歴」「違約金・解約金」の3つをチェックすることで信頼できる新電力を見つけやすくなります。
ここでは、やばい新電力会社を選ばないために注意すべきポイントを詳しく解説します。
電気料金プランの仕組みを理解する
新電力にはさまざまな料金プランがあり、契約前にしっかり理解しておくことが重要です。
特に注意すべきは、「市場連動型プラン」と「従量電灯型プラン」の違いです。
市場連動型プランは、日本卸電力取引所(JEPX)の価格と連動しており、市場価格が高騰すると電気料金も大幅に上がるリスクがあります。
実際、2020年12月前半の時点で約7円~8円だったJEPXの価格が、2021年1月には1kWhあたりの平均価格が200円を超える前例のない高騰を見せました。
そのため、料金変動リスクを避けたい方は、毎月一定の単価で計算される従量電灯型プランを選ぶのがおすすめです。
新電力の事業運営歴を確認する
新電力の中には設立から数年しか経っていない事業者もありますので、運営歴を確認し、一定の実績がある新電力を選ぶことが重要です。
実際、2021年4月時点で登録されていた新電力706社のうち、2024年3月までに188社が撤退・倒産しています。
上記を踏まえると、10年以上の運営歴がある新電力会社や、大手エネルギー企業の子会社を選ぶことがおすすめです。
例えば、東京ガス(2016年参入)、ENEOSでんき(2016年参入)、大阪ガス(2016年参入)などは、大手エネルギー会社がバックについているため、安定した運営が期待できます。
また、資源エネルギー庁の「登録小売電気事業者一覧」で登録年月日を確認することで、新電力の運営歴をチェックできます。
違約金・解約金がかからないか確認する
契約時に「違約金」や「解約金」が発生するかどうかも、新電力選びの重要なポイントです。
多くの新電力では契約期間の縛りがなく、解約金0円のプランを提供しています。
一方で一部の新電力会社では契約期間を設け、途中解約時に違約金を請求するケースもあります。
例えば、Japan電力では1年未満の解約で3,000円の違約金、ENEOSでんきの「にねんとく2割」プランでは、2年未満の解約で1,100円の違約金が発生します。
また、ソフトバンクでんきの「おうちでんき(N)」は関西電力エリア限定で、更新月以外に解約すると5,000円の違約金が発生します。
契約前には、公式サイトや契約書の「解約条件」「違約金規定」をしっかり確認し、納得した上で契約するようにしましょう。
やばいと心配しなくていいおすすめの新電力会社
以下では、安心して利用できるおすすめの新電力会社を厳選して紹介します。
項目 | Looopでんき | 楽々でんき | ストエネ | エネワンでんき | U-POWER |
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最低料金(基本料金) ※東京電力エリアの場合 |
0円 | ライトシンプルプラン:0円 新生活安心プラン:651.15円~(20A) |
Fプラン:0円 Pプラン590.48円(20A) |
902円25銭~(30A)※エネワンハッピーの場合 | 296.16円~(10A~) |
解約金(違約金) | 0円 | あり | あり | 0円 | あり |
契約手数料 | 0円 | あり | 0円 | 0円 | 0円 |
電気ガスセットプラン | あり | なし | あり | あり | なし |
ポイント還元 | なし | なし | Pontaポイント | なし | なし |
クレジットカード | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
一言特徴 | 市場連動型で安い | 全国対応で使いやすい | ファミリー向けでお得 | 基本料金0円で安い | 再エネプランが豊富 |
Looopでんき

Looopでんきは、経済産業省が公表している「電力需要実績」において、独立系(大手の子会社でない)新電力各社の中で第1位の実績を取得しています。
※参考:経済産業省資源エネルギー庁「電力調査統計:電力需要実績」
基本料金が0円で、使った分だけ支払うシンプルなプラン「スマートタイムONEプラン」を提供しているのが特徴です。
多くの電気会社では、固定で発生する「基本料金」と使った分だけ発生する「従量料金」の2種類かかってきますが、Looopでんきは基本料金が0円なので無駄な電気代を払う必要がありません。
さらに「スマートタイムONE」では料金単価が30分ごとに変動しており、単価が安い時間帯に家電を使う時間を調整するだけで、家電の利用頻度が同じでも電気代を抑えることができます。

また、Looopでんきは初期費用、解約違約金、燃料費調整額も0円となっていて気軽に始められるため、単身者からファミリーまで幅広くおすすめです。
Looopでんきの基本情報 | |
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最低料金(基本料金) | なし |
解約金(違約金) | なし |
契約手数料 | なし |
電気ガスセットプラン | あり |
ポイント還元 | なし |
クレジットカード | 利用可能 |
プラン一覧 | スマートタイムONE(電灯)・スマートタイムONE(動力)※法人向け |
運営する電力会社 | 株式会社Looop(ループ) |
所在地 | 東京都台東区上野3丁目24番6号 上野フロンティアタワー15階・22階(本社) |
小売電気事業者登録番号 | A0021 |
引用:Looopでんき公式YouTube「新しいスタンダード!?30分ごとに変わる電気の価格~知るほどナットク!スマートタイムONE~」
楽々でんき

楽々でんきは基本料金ありのプランと基本料金なしのプランの両方を提供しています。
そのため、電力消費量の多い家庭から少ない家庭まで、使い方に合った最適なプランを選択でき、電気料金の節約がしやすいです。
電力使用状況をスマホアプリで確認できるため、日々の節電意識を高めながら、効率的な節電ができます。
ライトシンプルプランでは、契約期間中に解約した場合5,000円(不課税)の解約金がかかりますが、新生活安心プランには解約金はありません。
楽々でんきの基本情報 | |
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最低料金(基本料金) | 665円28銭(20A) |
解約金(違約金) | 5,000円or0円 |
契約手数料 | 3,850円(税込) |
電気ガスセットプラン | なし |
ポイント還元 | なし |
クレジットカード | 利用可能 |
プラン一覧 | ライトシンプルプラン・新生活安心プラン |
ストエネ

ストエネでは、基本料金がある「Pプラン」と、基本料金0円の「Fプラン」を提供しています。
基本料金がある「Pプラン」は電力量料金が安いため、電気をたくさん使うファミリー世帯や、消費電力の大きい家電の使用頻度が高い家庭におすすめです。
基本料金0円の「Fプラン」は、電気使用量が少ない家庭や単身者向きです。
家族向けの大容量プランやオール電化住宅向けプランも提供していて、暮らしに合うプランを豊富な選択肢から選ぶことができます。
電気とガスのセット割があり、Fプラン・Pプランとガスのセットで契約すると毎月110円の割引が受けられるのも魅力です。
解約金や違約金も発生しないため、安心して始められます。
ストエネ ライフ電気の基本情報 | |
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最低料金(基本料金) | Fプラン:なし Pプラン:739.20円(20A)※東北エリアの場合 |
解約金(違約金) | なし |
契約手数料 | なし |
電気ガスセットプラン | あり |
ポイント還元 | なし |
クレジットカード | 利用可能 |
プラン一覧 | Pプラン、Fプラン、オール電化プラン |
エネワンでんき

エネワンでんきは、LPガス会社サイサンが運営する電力サービスで、電気を多く使うファミリー世帯におすすめの新電力です。
1年以内の解約で解約金3,300円がかかるため、長期利用を考えるファミリーにおすすめです。
※エネワンでんきの供給エリア外への引越し等、やむを得ない理由の場合解約金は発生しません。
また、ガスやウォーターサーバーをセットで申し込むと、セット割で最大385円のセット割引が受けられます。

エネワンでんきのお支払いで自動的にPontaポイントを貯めることもでき、電気代を節約しながらポイントも貯められます。

Pontaポイントはガスやウォーターサーバーの利用料金に対しても貯めるため、セット契約することで割引を受けつつポイ活の効果も大きくなります。
エネワン電気の基本情報 | |
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最低料金(基本料金) | 1,075円80銭(30A)※エネワンハッピーの場合 |
解約金(違約金) | 3,300円(1年以内の解約) |
契約手数料 | なし |
電気ガスセットプラン | あり |
ポイント還元 | Pontaポイント |
クレジットカード | 利用可能 |
プラン一覧 | エネワンBプラン、エネワンスタンダードプラン、エネワンハッピー |
引用:ガスワンチャンネル(YouTube)「エネワンでんき CM第1弾 泉ワン子社長登場篇」
U-POWER

U-POWERは、再生可能エネルギーを選べる「GREENホームプラン」を提供しています。
再生可能エネルギーの割合が10%、50%、100%の3つのプランから選べるため、環境に配慮した電力を使いたい人に最適です。
それぞれの料金体系はシンプルで、基本料金と電力量料金は同じで、非化石証書費用だけがプランごとに異なっています。
1年以内の解約で解約金3,000円がかかるので、1年以上の長期契約を前提とした申し込みがおすすめです。
単身者からファミリーまで使いやすく、環境意識が高い人に向いています。
U-POWERの基本情報 | |
---|---|
最低料金(基本料金) | 382.47円(10A) |
解約金(違約金) | 3,000円 |
契約手数料 | なし |
電気ガスセットプラン | なし |
ポイント還元 | なし |
クレジットカード | 利用可能 |
プラン一覧 | GREENホーム10、GREENホーム50、GREENホーム100 |
U-POWER(ユーパワー)の評判・口コミ!電気代が高い?大手の料金プランと比較して解説!
新電力会社への乗り換えはくらしテクが無料代行!

くらしテクでは、面倒で時間がかかる電気の切り替え手続きを無料代行しています。
手間をかけずに簡単に電力会社の変更ができ、浮いた時間を他の作業に充てることができるため、忙しい方にもぴったりです。
また、専属のコンシェルジュがお客様のライフスタイルをヒアリングしたうえで、最適な電力会社やプランを提案します。
自分で複雑なプラン比較を行う必要なく、お得な新電力とプランを簡単に選ぶことができます。
くらしテクは電気以外のライフライン手続きも代行

くらしテクでは、電気の切り替えだけでなく、ガスや水道、インターネットなどのライフラインの手続きも代行してくれるので、引っ越し準備がスムーズに進みます。
電話一本でライフラインに関する手続きを任せられるため、特に引っ越しを控えている方にとって大変便利です。
また引っ越し業者の料金比較も行い、最適な業者の手配まで対応してくれるので、費用と時間の両方を節約できます。
くらしテクを利用することで、引っ越し準備の負担を軽減し、新生活への準備も余裕を持って進められます。
くらしテクは引っ越し業者の一括見積もりも可能

くらしテクは各種ライフラインの手続きを代行できるため、引っ越しを控えている方にもおすすめです。
電気・ガス・水道・インターネット等、それぞれの窓口とやり取りしなくても、くらしテクへの電話一本で手続きを一括で完了できます。
さらにくらしテクでは引っ越し業者の料金比較も行います。
約60社の引っ越し業者の中から一括で見積もりを取り、荷物の量や引っ越しエリアをヒアリングしたうえで最も安い業者を提案・手配します。
自分で行うよりも多くの業者を楽に、早く比較でき、手間もコストも抑えることができます。
新電力の「やばい」「危険」に関するよくある質問
近年の電力市場の変動や新電力会社の撤退・倒産のニュースを目にして、不安に感じている方も多いかと思います。
しかし、新電力のすべてが危険というわけではなく、慎重に選べば安心して利用できる会社も多くあります。
ここでは、新電力に関するよくある質問について解説していますので参考にしてください。
新電力は「やめとけ」は本当?
新電力に関して「やめとけ」という意見があるのは事実ですが、すべての新電力がリスクが高いわけではありません。
実際に、2021年から2024年にかけて多くの新電力会社が撤退や倒産を余儀なくされましたが、これは市場価格の高騰や運営コストの増加が主な原因です。
しかし、2023年には市場価格が落ち着いたこともあり、撤退していた112社のうち47社が事業を再開しました。
また、エネルギー関連の大手企業が運営する新電力(東京ガス、ENEOSでんき、大阪ガスなど)は安定しており、供給のリスクは低いです。
したがって、契約を検討する際には会社の運営状況や料金プランをしっかり確認し、信頼できる事業者を選ぶことが重要です。
新電力のヤバい会社や撤退・倒産した企業一覧は確認できる?
新電力の「ヤバい会社ランキング」や撤退・倒産した企業の公式な一覧は公開されていません。
しかし、経済調査機関や資源エネルギー庁の報告をチェックすれば、新電力の撤退状況を把握することは可能です。
例えば資源エネルギー庁の報告によると、2023年の小売電気事業者(新電力の会社)731社登録のうち、96社は「事業廃止・解散・取り消し」をしています。
新電力が「やばい」「後悔する」なら大手電力会社と契約したほうがいい?
新電力の契約に不安がある場合、大手電力会社を利用するのも一つの選択肢です。
東京電力や関西電力、四国電力といった旧一般電気事業者は、発電から小売まで一貫して運営しており、安定した供給が期待できます。
しかし、大手電力会社の電気料金は新電力よりも高めに設定されていることが多く、割引やポイント還元などのメリットが少ない傾向にあります。
一方で、新電力は料金プランが割安であったり、電気とガスのセット割やポイント還元などの特典が充実しており、料金を節約しやすいというメリットがあります。
そのため、「安定性を優先するなら大手電力会社」「料金の節約を重視するなら信頼できる新電力」というように、自分のライフスタイルに合わせた選択をすることが大切です。
やばい新電力会社で後悔しないためにも情報収集が大切
新電力の撤退や値上げがある中、新電力会社選びには慎重さが求められま。
特に、料金プランの仕組みや事業運営歴、違約金の有無を事前に確認しましょう。
安心を重視したい場合は、大手の電力会社やエネルギー関連企業の提供する新電力を選ぶのもおすすめです。
また、最新の電力市場の動向をチェックし、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。
後悔しないためにも、十分な情報収集を行い、納得のいく電力会社を選びましょう。