エアコンはつけっぱなしの方が電気代が安い？1時間以内の外出ならつけっぱなしがおすすめ

エアコンの電気代を節約するために、「こまめに消した方が良いのか、それともつけっぱなしが良いのか？」と悩む人は多いでしょう。

特に夏や冬はエアコンの使用頻度が増えるため、効率の良い使い方を知ることが大切です。

実は、短時間の外出ならエアコンをつけっぱなしにしておく方が電気代の節約になるケースが多いです。

この記事では、エアコンをつけっぱなしにするメリットや、エアコンのつけっぱなしで実際どのくらい電気代が安くなるのかを解説します。

近年電気代の高騰が続き、多くの家庭で電気代の節約が課題です。

実際、経済産業省・資源エネルギー庁の調査によると、実際に家庭用電灯の平均価格は上昇傾向にあり、2010年度から2022年度にかけて約59%の上昇、kWhあたり約17.99円値上がりしています。

引用：経済産業省・資源エネルギー庁「電気料金平均単価の推移」

特に光熱費のかさむ真冬・真夏の時期は、少しでも節電を意識して電気代を押さえたい所です。

エアコンを上手く活用して、厳しい季節を快適かつ経済的に乗り切りましょう。

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エアコンはつけっぱなしの方が電気代が安い？

短時間の外出時はつけっぱなしの方が電気代が安くなる傾向がありますが、長時間使わない場合はこまめに消す方が節電につながります。

ここでは、エアコンの電気代を抑えるための使い方について、具体的なデータを交えながら解説します。

短時間の外出ならエアコンつけっぱなしの方が安い

エアコンは起動時に多くの電力を消費するため、短時間の外出時にこまめに消すと、かえって電気代が高くなることがあります。

エアコンを起動して設定温度に到達するまでの間は、通常運転時の約3倍の電力を消費することもあります。

特に外気温と室温の温度差が大きい季節は、エアコンが設定温度まで部屋を暖める、もしくは冷やすまでの時間が長くなります。

短時間の外出時にエアコンを消してしまうと、帰宅後また設定温度まで室温を戻すのに余計な電力を使うことになります。

そのため、30分～1時間程度の外出ならエアコンをつけっぱなしにしておく方が、電気代の節約につながる可能性が高いです。

1時間以上使わない場合は消すのがおすすめ

一方で、外出などで1時間以上エアコンを使用しない場合は、消す方が電気代を節約できることが多いです。

エアコンは設定温度に達すると安定運転に入り消費電力が抑えられますが、無駄に稼働する時間が長ければ結局消費電力が大きくなります。

目安として1時間以上の外出時や、寝ている間はエアコンを消しておくと、無駄な電気代を抑えることができます。

エアコンつけっぱなしで節約できる電気代

以下では、エアコンのオンオフを繰り返した場合とつけっぱなしにした場合、また、外出時のみ切った場合との比較を詳しく解説します。

エアコンをつけっぱなしにすることで、電気代と消費電力がどれだけ節約できるのかを確認しましょう。

エアコンのオンオフを繰り返した場合とつけっぱなしの比較

エアコンは、起動時に最も多くの電力を消費します。

例えばエアコンの冷房を30分おきにオンオフした場合、つけっぱなしにした場合よりも1.5倍の電力を消費する結果が出ています。

エアコンは、運転開始から室内が設定温度に到達するまでの間に最も電力を消費します。

設定温度に到達するまでに消費する電力は通常運転の3倍近くなることもあります。

また、日中の外気温が高い時間帯（9:00～18:00）にエアコンを頻繁にオンオフした場合、つけっぱなしよりも電気代が高くなる傾向にあります。

そのため、エアコンを頻繫に消したりつけたりするよりも、つけっぱなしにした方が無駄な消費電力を抑えられ、結果的に電気代の節約につながりやすいです。

エアコンを外出時のみ切った場合とつけっぱなしの比較

短時間の外出時にエアコンを消すか、つけっぱなしにするかは、外出時間によって判断しましょう

30分〜1時間程度の短時間の外出でエアコンを消してしまうと、再起動時の電力消費の方が大きくなり、結果的に電気代が高くなりやすいです。

1時間以内の短時間の外出ならエアコンはつけっぱなし、1時間以上の外出なら電源をオフにすることを目安としましょう。

エアコンをつけっぱなしの節約効果【時間帯別】

以下では、エアコンをつけっぱなしにした場合の時間別の消費電力を検証します。

9時から18時の日中、18時以降の夜間の電気代の違いを詳しく解説していきます。

9時から18時まではつけっぱなしで節約しやすい

特に夏はエアコンを日中（9:00〜18:00）につけっぱなしにすると、こまめにオンオフする場合よりも電気代が安くなる傾向にあります。

特に、外気温とエアコンの設定温度との差が大きいほど再起動時の電力消費は増えやすいです。

そのため、真夏に近いほど日中（9:00〜18:00）の時間帯はつけっぱなしの方が節約できる可能性が大きいです。

18時以降はつけっぱなしでも節約効果が薄い

夏は18:00以降は日中と比較して外気温が下がるため、つけっぱなしにするメリットが減少します。

日が落ちるとと外気温と室温の差が落ち着き、エアコンの負荷が軽減されるためです。

特に、夜22:00以降は室温を維持しやすくなるため、寝る前はエアコンをオフにするか、タイマーを活用すると電気代を節約できます。

ただし冬の場合は日が落ちた18:00以降の方が室温との差が大きくなるため、つけっぱなしの方が電気代を抑えやすいです。

エアコンを24時間つけっぱなしにした場合の電気代【季節別】

エアコンを24時間つけっぱなしにした場合の、季節別の電気代と消費電力についてまとめました。

結果としては、冬（暖房）の方が夏（冷房）よりも電気代が高い結果となっています。

同じつけっぱなしでも、冬（暖房）の方が節約効果を期待できます。

エアコンの冷房を24時間つけっぱなしにした場合（夏）

夏場に冷房を24時間つけっぱなしにすると、消費電力量は約4,000Wh、電気代は約130円となりました。

※エアコンの冷房（設定温度26℃・風量自動）を24時間稼働させた場合

一方で、エアコンをこまめにオンオフした場合、消費電力量は4,300Wh以上となり、電気代は140円以上かかる結果となっています。

この結果から、エアコンの冷房を24時間つけっぱなしにしても、こまめに消すよりも電気代が安くなるケースがあることが分かります。

ただし、外出が長時間にわたる場合はエアコンをオフにすることで、さらに電気代を抑えることができるでしょう。

エアコンの暖房を24時間つけっぱなしにした場合（冬）

冬場に暖房を24時間つけっぱなしにした場合、消費電力量は約9,150Wh、電気代は約280円となりました。

※エアコンの暖房（設定温度26℃・風量自動）を24時間稼働させた場合

冷房を24時間つけっぱなしにした場合の2倍以上の消費電力量となっています。

特に、冷えた室内を設定温度まで温めるまでの間、エアコンの消費電力は大きくなります。

部屋が温まった後は少ないエネルギーで運転できるため、1、2時間の外出でエアコンを切るより、つけっぱなしにして室温を保つ方が結果的に電気代を抑えられることが多いです。

つけっぱなし以外のエアコンの節電方法

エアコンの電気代を抑えるためには、「つけっぱなし」と「こまめにオンオフ」の使い分けが重要ですが、それ以外にも節電できる方法があります。

例えば、エアコンの風の流れを最適化したり、フィルターを定期的に掃除したりするだけで、消費電力を約10～20％削減できます。

また、室内の環境を工夫することで、エアコンの設定温度を極端に下げたり上げたりする必要がなくなり、結果的に電気代の節約につながります。

ここでは、エアコンの節電につながる具体的な方法を紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

サーキュレーターを併用する

エアコンの冷暖房効率を上げるためには、サーキュレーターの活用が有効です。

サーキュレーターを使うことで、部屋全体の空気を均一に循環させ、エアコンの効率を向上させることができます。

冷たい空気は下に、暖かい空気は天井付近に溜まるため、サーキュレーター空気を循環させエアコン効率を上げましょう。

サーキュレーターを併用することで、設定温度を1〜2℃調整しても快適に過ごせるようになり、電気代節約にもつながります。

フィルターを定期的に掃除する

エアコンのフィルターにホコリが溜まると、空気の流れが悪くなり、冷暖房の効率が下がります。

フィルターを掃除しないまま使用すると、電気代が約25％増加することもあるため、2週間に1回を目安にメンテナンスを行うと良いでしょう。

掃除の方法は簡単で、フィルターを取り外して掃除機でホコリを吸い取るか、水洗いしてしっかり乾かすだけです。

定期的な掃除を心がけることで、エアコンの性能を維持しながら節電することができます。

古いエアコンは買い替える

古いエアコンを使っている場合、新しいモデルに買い替えることで省エネ性能が改善し節約効果を期待できます。

出典：一般社団法人 日本冷凍空調工業会

※冷暖房兼用型、壁掛け型、冷房能力2.8kWクラス、省エネルギー型の代表機種の期間消費電力単純平均値
※期間消費電力量は、日本冷凍空調工業会規格JRA4046（ルームエアーコンディショナーの期間消費電力量算出基準）に基づき算出

エアコンの省エネ性能は1995年からの22年間で約45％改善されています。

購入の費用は掛かりますが、できるだけ早く新しいエアコンに買い替えたほうが元が取りやすくなります。

一般的にエアコンの寿命は10年程度と言われていますので、特に10年近く同じエアコンを使い続けている方は新しいモデルのエアコンへの買い替えを検討してみましょう。

風量は自動にする

エアコンの風量設定は「自動」にすることで、効率的な運転が可能になります。

風量を固定すると、必要以上に強風で運転したり、逆に風量が足りずにエアコンの負荷が増えたりするため、余計な電力を消費する原因になります。

風量を「自動」に設定すると、室温に応じて適切な風量が調整されるため、エネルギーを無駄にせず効率的に冷暖房ができます。

また、ダイキンの実験では、風量を「自動」にすることで消費電力が約10％削減されたという結果が出ています。

この設定を活用することで、電気代を節約しながら快適な室内環境を維持することができます。

加湿・除湿器を活用する

湿度の管理もエアコンの効率に大きく影響します。

夏場は湿度が高いと体感温度が上がり、設定温度を下げがちになりますが、除湿器を併用することで体感温度を下げることができます。

逆に冬場は、加湿器を使用することで湿度を高め、体感温度を上げることができます。

資源エネルギー庁のデータによると、湿度を10％調整するだけで、エアコンの設定温度を1〜2℃変えずに快適に感じられるという結果が出ています。

そのため、加湿器・除湿器を活用し、エアコンの設定温度を無理に変更しないようにすると、電気代の節約につながります。

室外機の前に物を置かない

エアコンの室外機は、効率的に運転するために重要な役割を果たしています。

室外機の前に物を置くと、空気の流れが悪くなり、エアコンの負荷が増えてしまいます。

特に夏場は、室外機の熱がうまく逃げられず、冷房の効率が低下し、消費電力が増加する原因になります。

また、冬場は室外機が吸い込む空気が冷えすぎると、暖房の効率が悪くなり、より多くの電力を消費することになります。

室外機の前には障害物を置かず、定期的に掃除することで、エアコンの性能を最大限に引き出すことができます。

カーテンを閉める

窓からの熱の出入りを防ぐことで、エアコンの負荷を減らし、電気代を抑えることができます。

特に夏場は、直射日光が室内に入ると温度が上昇し、エアコンの負荷が増えてしまいます。

遮光カーテンや断熱フィルムを利用することで、室温の上昇を防ぎ、エアコンの設定温度を1〜2℃上げても快適に過ごせるようになります。

資源エネルギー庁によると、窓の遮熱対策を行うことで、冷房の消費電力を約10〜15％削減できるというデータがあります。

冬場は逆に、厚手のカーテンを使用して暖気を逃がさないようにすることで、暖房効率を向上させることができます。

安い電力会社に乗り換える

エアコンの節電だけでなく、契約している電力会社を見直すことで、年間の電気代を大幅に削減できる可能性があります。

電力自由化によって契約する電力会社を自由に選べるようになり、大手電力会社以外にも続々と新電力が参入しています。

実際、経済産業省 資源エネルギー庁の調査によると、全販売電力量に占める新電力のシェアは、電力自由化がスタートした2016年4月から右肩上がりです。（主に家庭用である低圧分野のシェアは約23.9%）

引用：経済産業省 資源エネルギー庁「電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について」新電力のシェアの推移

新電力は大手と比べ低コストな料金プランの提供していることが多く、家計の負担を減らす目的での、新電力への乗り換えも進んでいます。

今より安く使える電力会社に乗り換えれば、エアコンの使い方を我慢せず、今までと同じ使い方でも電気代を抑えることができます。

くらしテクは電力会社の乗り換え手続きを無料代行

電力会社を乗り換えたいと思っても、手続きが面倒で中々手を付けられずにいるという方も多いでしょう。

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また、安く利用できる電力会社や料金プランの提案も行いますので、各社の複雑な電気料金プランを自分で比較する必要もありません。

より効果的な電気代削減に繋げるために、エアコンの節電と合わせて電力会社の見直しも検討してみてください。

エアコンをつけっぱなしにするメリット

エアコンは、こまめにオンオフするよりも、つけっぱなしにした方が電気代の節約につながりやすいです。

特に真夏や真冬は外気温と室温の差が大きく、エアコンの負荷も大きくなるため、1時間以内の外出であればつけっぱなしにしておくのがおすすめです。

またエアコンをつけっぱなしにしておくことで、電気代の節約以外にもメリットがありますので紹介していきます。

電気代の節約になる

エアコンは起動時に最も多くの電力を消費するため、頻繁にオンオフを繰り返すと電気代が高くなることがあります。

例えば30分おきにエアコンをオンオフした場合と比較すると、つけっぱなしにした場合の方が消費電力が約15〜20％抑えられることもあります。

エアコンが運転を開始すると、設定温度まで急速に調整しようとするため、一時的に大量の電力を消費します。

特に外気温と室温の差が大きくなる時期は、短時間の外出でエアコンを消してしまうと、帰宅後に再び設定温度まで稼働するのに大きな電力を使用してしまいます。

そのため、1時間未満の外出なら、エアコンをつけっぱなしにしておいた方が、結果的に電気代の節約につながる可能性が高いのです。

常に適温が維持される

エアコンをつけっぱなしにすることで、室内の温度が一定に保たれ、常に快適な室温を維持することができます。

外出から戻った後も、エアコンが効くまでしばらく寒い・もしくは熱い部屋で過ごさなくてはいけない不快感もありません。

特に夏場の熱中症対策や、冬場の冷えによる体調不良の防止に役立ちます。

厚生労働省の調査によると、室温を28℃以下に保つことで、熱中症のリスクを大幅に低減できることがわかっています。

このように、エアコンをつけっぱなしにすることで、快適な環境を維持しながら健康リスクを軽減することが可能になります。

エアコンの付け忘れ・消し忘れの心配がなくなる

エアコンをつけっぱなしにしておくことで、「消し忘れ」や「付け忘れ」の心配を減らすことができます。

つけっぱなしにしておくと決めてしまえば、外出時に「あれ？エアコン消したかな？」と気にすることなく出かけることができます。

また、帰宅時にエアコンがついていれば、暑い部屋や寒い部屋で過ごす時間を短縮できるため、すぐに快適な環境で過ごせます。

エアコンをつけっぱなしにするデメリット

エアコンをつけっぱなしにすると、電気代の節約や快適な室温を維持できるといったメリットがあります。

しかし、一方でデメリットも存在し、長時間の連続運転がエアコン本体の寿命を縮めたり、メンテナンスの手間が増えたりする可能性があります。

特に、エアコンの劣化や自動クリーン機能が正常に働かない点には注意が必要です。

ここでは、エアコンをつけっぱなしにすることで生じるデメリットについて詳しく解説していきます。

エアコンの劣化が早まる

エアコンを24時間つけっぱなしにすると、部品の消耗が早まり、寿命が短くなる可能性があります。

一般的に家庭用エアコンの寿命は約10年程度ですが、長時間の連続運転を続けることで圧縮機やファンモーター等の重要な部品の負担が大きくなり、一般的な寿命よりも早く故障してしまうリスクがあります。

例えばエアコンを1日12時間稼働させる家庭と24時間稼働させる家庭では、圧縮機の摩耗速度に約30％の差が出ることもあります。

また、フィルターや熱交換器にホコリが溜まりやすくなり、エアコンの効率が低下することで余計な電力を消費することにもつながります。

このように、つけっぱなし運転を続けると、エアコンの寿命が縮まり、早めの買い替えが必要になる可能性があるため、定期的なメンテナンスが重要になります。

自動クリーン機能が使えない

多くのエアコンには、自動クリーン機能（フィルター自動掃除機能）が搭載されていますが、この機能はエアコンの運転を停止した際に作動する仕組みになっています。

そのため、エアコンつけっぱなしにしていると自動クリーン機能が作動せず、フィルターや内部のホコリが蓄積しやすくなります。

自動クリーン機能が働かない場合フィルターが目詰まりしやすくなり、空気の流れが悪くなることで冷暖房の効率が低下してしまいます。

定期的に手動でフィルターを掃除するか、エアコンをオフにするタイミングを確保し、定期的に自動クリーン機能を作動させるようにしましょう。

エアコンはつけっぱなしの方が電気代が安くなりやすい

エアコンは起動時に多くの電力を消費するため、頻繁にオンオフを繰り返すと電気代がかえって高くなることがあります。

特に1時間以内の外出なら、つけっぱなしにしておいた方が効率的に運転でき、節約につながる可能性が高いです。

一方で、長時間の外出や不在が続く場合は、電源をオフにした方が無駄な電力を使わずに済みます。

エアコンの使い方を工夫することで、快適な室温を保ちつつ、電気代の節約も実現できます。