現在、大手テレビ局のセクハラ問題を筆頭に、ハラスメントが注目されています。
そこでくらしテクでは、会社でセクハラを受けたことがある人の実態調査をおこないました。
- 調査対象:会社でセクハラを受けた・受けている男女
- 調査期間:2025/02/06~2025/02/18
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:264人(女性182人/男性82人)
- 会社でのセクハラは上司から受けている人が67%と最も多い
- 会社でのセクハラを相談せずに我慢している人は43.9%
- セクハラがきっかけで会社を退職した人は60.7%
会社でのセクハラは上司から受けることが最も多い


「誰からセクハラを受けましたか?」の質問項目では、セクハラは上司から受けることが最も多いことがわかります。
男女で統合して統計をとった結果、1位は「上司からセクハラを受けた」(177人)で、全体の約67%を占め、最も多い回答となりました。続いて、2位「同僚からセクハラを受けた」(48人)、3位「取引先からセクハラを受けた」(13人)が挙げられました。
上司からのセクハラは全体で67%という結果になり、「上司だから逆らえない」といったコメントが見られます。
セクハラの種類は環境型セクハラが最も多い

続いては「どのようなセクハラを受けましたか?(複数選択可)」という項目で調査をおこないました。
結果、環境型セクハラが最も多く、時点で妄想型セクハラ、対価型セクハラ、制裁型セクハラと続きます。
それぞれ、具体的にどのようなセクハラを受けたのかを一部抜粋して紹介します。
- 「社員用エレベーターを荷物が無い状態で乗ることを禁じるために、エレベーター脇には裸の女性が胸を手で隠している画像に「手ブラでの利用禁止」と書かれた張り紙が貼られている。気落ち悪いが誰も声を上げない。」
- 「常に女性器や男性器の話をされる。時には脱毛しているかどうかや、パートナーとの夜のことについて聞かれる。」
- 「私が好意を持っていると勝手に思い込んだらしく、食事やホテルに誘われました。好意がないと伝えると逆上して、暴言を吐かれました。」
- 「連絡先を交換しただけで、家族を置いて夜な夜な外で会おうとしつこく誘われた」
- 「下腹部を触らせてくれたら評価をあげると言われた。」
- 「契約をしてほしいなら一晩付き合えと言われた。」
- 「自分と仲良くしたほうが昇進すると言われた。」
- 「セクハラを相談したところ上司から圧力をかけられた。」
- 「つわりで動けない時に当時の課長(男性、子育て経験あり)「つわりは病気ではないし、自分で望んで妊娠したんだから文句言うな」と業務量の軽減なく、逆に多いくらいの量をこなさざるを得なかった。」
セクハラを受けて43.9%の人が我慢を選択!耐える理由は「相談する勇気がなかった」が最も多い

続いては、「セクハラを受けてどのような対応をしましたか?(複数選択可)」という項目で調査をおこないました。
最も回答が多かったのは「誰にも相談しなかった」で、次点で「同僚に相談した」、「友人や家族に相談した」という結果から、会社や上司に相談することを躊躇った方が多いとわかります。
それぞれ、なぜ上記の選択をしたのか、一部抜粋して紹介します。
- 「上司の権限が大きく、言っても無駄な気がした。また査定に影響すると思った。」
- 「誰かに報告したところで状況は好転しないし、この人(上司)はずっとこういう感じで生きてきて、これからも変わることはないんだなとあきらめた。」
- 「会社の先輩まで被害を受け始めたため、2人で相談しにいけたため、心強く感じたため。」
- 「そのような発言をする人が上司であることが許せなかったし、その上司が異動・クビになった方が良いと感じたため。家族に相談した理由は、私の良き理解者であったことと転職をしようと思ったので相談するためにアドバイスをもらおうと思ったから。」
- 「自分が精神的に限界だったため上司の上司に相談した。上司の行動のせいで周囲からも誤解を受け職場に居づらくなり、いじめのような状況になったため。」
- 「同僚からのセクハラとはいえ、相手の方が年上な事もあり、やんわりと断っていたものの、しつこく自分では手に負えなくなったので、上司に相談した。」
- 「女性の同僚なら話しやすいし、親身になってもらえると思ったからです。」
- 「怖い上司だったので、同僚にしか相談が出来なかった」
- 「上司に直接言うのが怖かったから」
- 「辛くなることが度々あったので聞いてもらうことで、自分自身が楽になったから。」
- 「恥ずかしくて誰にも相談できませんでした。セクハラ行為を受けてしまう自分自身に隙があったのではないかと、自分に落ち度があるように考えてしまいました。」
- 「相談する必要をあまり感じなかったのと、自分の1番近い怖い上司だったので相談はしなかったが、教育係がその現場を見た際大丈夫かと声をかけてきた。」
セクハラがきっかけで会社を退職した人は60.7%!相談しても解決しないことも
セクハラを受けた後、セクハラがきっかけで会社を退職している方は60.7%という結果になりました。
セクハラを上司や会社に相談した結果、改善されずに辞めたという方のコメントを一部抜粋して紹介します。
- 「改善されず、なだめられて終わりました。」
- 「結果的になぜか両成敗ということになり非常に納得は行かないが、相談した上司を通じて謝罪された。直接謝罪ですらなかったため、全然納得がいかない。」
- 「セクハラをされた証拠もないのにと、逆に怒られました。」
このように、セクハラを会社や上司に訴えても意味がなく、自分が辞めるしかないという環境もあるとわかります。
一方で、会社に相談することで解決したという方も多く、会社・上司に相談した方66人のうち42名がセクハラが解決されたと回答しました。
よって、セクハラは会社や上司に相談をすることが解決策として有効だとわかります。
【調査結果まとめ】セクハラは社会的問題になっているため告発する勇気が必要
今回の調査では、会社でセクハラを受けたことがある男女264人を対象に、セクハラの内容や対処方法についてアンケート調査を行いました。
今回のアンケート調査では、職場でのセクハラが依然として深刻な問題であることが明らかになりました。
大手テレビ局でも問題視されていましたが、企業はセクハラに対する認識を改め、従業員が安全に報告できる体制を整え、また適切な対処が行えるようにする必要があります。
また仕事は人生において大きな割合を占め、私たちのくらしや日常生活に深く関わっています。
このため、職場でのセクハラはただの職場問題ではなく、個人の生活全体に影響を及ぼす重大な事態です。
セクハラを受けているのであれば適切な対応を求め、しかるべき措置をすることで、健康的な生活や日々の幸福につながります。